佐賀県のとある小さなまちの取り組み

柳町について

  1. 01 柳町について
  2. 02 柳町のチーム

柳町で商う人々

  1. 仕事ってなんだ?
  2. 01 ものづくりカフェ こねくり家
  3. 02 ハレノヒ柳町フォトスタジオ / 笠原 徹
  4. 03 和紅茶専門店 紅葉 / 岡本 啓
  5. 04 鍋島緞通 織ものがたり / 木下 真
  6. 05 megumi / 森 恵美
  7. 06 minade / 江口 昌紀
  8. 07 よそほひ処 二葉 / 荒川 国子
  9. 08 ステンドグラス工房 グラスパレット / 西村 尚子
  10. 09 くみひも屋 絆 / 池田 ノリ
  11. 10 ブルームーン / 江副 由美子

建築リノベーションとしての柳町

  1. 01 建築資源活用の柳町においてのポイント
  2. 02 建物 改修前、改修後。リノベーションってなんだ?
  3. 03 OpenAの柳町に対する考え方 / 馬場正尊
  4. 04 OpenA 鈴木みのりによる建築的な森永家・久富家
  5. 05 佐賀市役所の仕掛け / 都市デザイン課 武藤英海
  6. 06 古賀銀行 / 音楽イベント、カフェとしての文化財活用

建築リノベーションとしての柳町

  1. 01 建築資源活用の柳町においてのポイント
  2. 02 建物 改修前、改修後。リノベーションってなんだ?
  3. 03 OpenAの柳町に対する考え方 / 馬場正尊
  4. 04 OpenA 鈴木みのりによる建築的な森永家・久富家
  5. 05 佐賀市役所の仕掛け / 都市デザイン課 武藤英海
  6. 06 古賀銀行 / 音楽イベント、カフェとしての文化財活用

リノベーションを再定義。
感覚、経済、まちが自活していく
仕組みを議論。

建築家として、リノベーション後も関わりたい!
町自体を経営していく新たな仕組み、柳町ならできる!

― あと11月には新しく、組紐をされる池田さんみたいに元々柳町の住人でもある60代くらいの方とか、家で作業してたのを外でっていうことで新しく2人入られたんですよ。

いや、それは理想的ですね。それ地方都市ならではで、都会のクリエイターって言ったら若いけど、地方都市のクリエイターは何歳になってもクリエイターですよね。その代わり、彼らはあの空間のせいで否応なく晒されるわけですよね。でも僕、晒されることにより表現力とか発信力とかも上がるに違いないと思っていて…。そっかぁ、そういう人が入ってくれたのかー良かったなぁ。まぁそんな感じで、僕自身もおっかなびっくりだったんですけど、いかにして町に多様でチャレンジングで面白くて、同時に協調性もある人達を集められるかということ。審査の時にものすごく気を使ったのが「協調性」で、実はものすごく重要視して見たんです。もっと資金力もあってバリバリの人とかもいたんですが、そういう人は「俺に任せろ」的な人が多かったんですよ。そういう人たちには「ごめんなさい」って言って「馬場さんあの人断るんですか!」って佐賀市の人に言われ「ちょっととてもじゃないけど言えない」ってことだったので、僕が長い手紙を書いたりして。でも結果としてそういう協調性のある人たちばっかりだから、あらかじめ話し合いながら町を進めるというか、自分たちの町を自分たちでどうにかするって思ってくれてる人達だから、すごいいいなぁと思っていて。僕がすごい感動したのが、出来上がる前ですよ、工事中にすでに彼らは集まって、新しいタイプの町内会みたいなものを作り始めたんですよ。今の「柳町のれん会」ですね。イベントの企画どうするとかって、自分たちの町を自分たちで考えながら、自分たちで行動しようとする組織の種みたいなものが出来上がっていた。「あ、ほんとにこんなことが起ころうとしている」ってワクワクしながら見てました。建築設計とかしてることの切なさっていうのは、もう出来上がって引き渡したら終わりって言う宿命にある職業ではあるわけなんですけど、柳町の場合はどういう風にのれん会が発展していくのかなぁって、どうやったら町として運営が軌道に乗るのかっていうことにすごい興味があったし、設計だけじゃなくて、もうちょっとその先に関わるっていうことをやってみたくて、佐賀市の方に「あと1年くらい関わるスキームを作ってくんねえか」ってだいぶ言ってたんだけど、その枠組みはちょっと無理っていう風になって、そうかぁそれは残念だ~と。やっぱり予算的にも議会とかにも承認されないといけないし、説明がつかないんでしょうね。それは残念だったんだけど、それでもボランティアみたいに付き合おうかなぁとかって、考えてもいて。逆にそこで新しい壁にぶつかるんだけど、やっぱり設計者としてどういう理屈で柳町やのれん会と関わるのかって言うと、しっかりとした関わり方の形みたいなものがまだ無いし、あまりにも常識を逸しているというか普通にはないことなので、なかなかね~。良い距離感の「関わりしろ」みたいなのが見つからなくて、ちょっと寂しいなっていう感じではあったんですよ。

― 僕は今回冊子で柳町と関わるんですけど、うち(うなぎの寝床)は小売りや開発とかも色々やってるんですよね。今回せっかく作った柳町のロゴで国産Tシャツを作ったりして、本とかモノを柳町で売ってもらって、3割とか4割のロイヤリティーを町として確保し、そこから馬場さんとか僕らみたいな人にギャラが出せるような、割と資本主義に則った形で町が自活できる仕組みを考えないといけない。最初の助走は補助金で良いと思うんですけど。

いや全く同感で、町自体を経営して行かないといけないと思っていました。これ僕の妄想ですけど、柳町のれん会が株式会社になったとして、あの町自体を運営していったときに、あの辺の文化財の運営・管理自体を佐賀市から受託して、あの場所をもっとクリエイティブに考えれば面白い貸し方もできるはずなんですよ、撮影とかイベントとかして。そこの場所代が収益源にもなると思うんですよね。それこそモノを売るとか、JTBとかと組んでツアーしたりとかして、その一部をロイヤリティーとして柳町にチャリンと落とすと。彼らはテナントでもあり、自分たちが事業主として自分たちの商売でも稼ぎながら、町が収益をあげるための色んなスキームを考え、その収益を各社に再配分し、一部を町に再投資すると。それでいつの間にか佐賀市から柳町自体のマネジメントを受託もすると。なんかねぇ、そんな全く新しいタイプの民間とか市民による町の経営のモデルを、柳町はあの人材がいるならできるんじゃないの!って思ってますよね。僕らが株主になったっていいわけだしね。民間委託してしまって、例えばのれん会が人を一人雇って回すとかしたら、全国的に見ても画期的な事が起こるんじゃないかとか思ったりします。